きてるぐまの日記

音ゲーとか自分が色々考えてることとか

音ゲーが辛くなった時に読む記事〜美点凝視とモチベーション〜

初めに

この記事は、音ゲーが楽しくて続けていたけどライバルと比較してしまってモチベーションが伸びない」という悩みを持った人を主に対象としています。音ゲー自体に興味がなくなったわけではないけど、今音ゲーをする気にならないといった時に、ふっと読み返して見るといいかもしれません。

 

 

音ゲーは「減点方式のゲーム」である

結論から先に言ってしまうと、音ゲーは「減点方式」のゲームだから悩みが増え、モチベーションが下がってしまう構造にあると私は思います。

 

音楽ゲーム、いわゆる音ゲは「理論値」というものが決められていて、決められたタイミングからある程度ずれていたり、押し間違えたりすると理論値から減点されていく「減点方式」が採用されているものがほとんどです。音ゲーの中でも減点方式を採用していない最たる例としてあげられるのは「太鼓の達人」ぐらいではないでしょうか。(太鼓の達人の中でも完全に理論値が決まっている完全精度曲と呼ばれている曲も多くありますが……)

 

減点方式のゲームのいいところとして「終わりがゲーム側によって決められている」というものが挙げられます。最終目標を自分で決めなくて済むからです。

 

加点方式のゲームである太鼓の達人の場合は、唯一の加点要因である連打を行った回数が結果発表時に表示されます。よく太鼓の達人のプレイヤーが連打力の指標にする『ドキドキ胸きゅんお祭りタイム(おに)』という連打に特化した譜面があり、トップランカーであれば総連打数が1000を超えることもあるようですが、初心者からランカーを除く上級者までがその目標に設定することは現実的なことではありません 。ドキドキ胸きゅんお祭りタイムのスコアの上限は決められていないので、連打が上手くなればなるほどどこまでもスコアを高めていけるような構造になっています。そのような中で自分と近いような実力のプレイヤーを複数参考にし、ここまできたら満足できるという目標を設定することは、とても難しいのではないかと私は思います。

 

その点チュウニズムやSDVX、BeatmaniaⅡDXなどは、その曲で出せる限界のスコアが決まっています。そのスコアはどんなに実力が上がろうと変わることはありません。自分自身の中での明確な目標を立てる際に、減点方式はとても心強い味方になってくれるのです。

 

しかし、ある時は味方になってくれる減点方式は、とある条件の元で我々プレイヤーに牙を剥くことになるのです。

音ゲーを行っている際に陥りがちな罠

 

減点方式の音ゲーに限らないことですが、多くのプレイヤーが音ゲーに対する興味を失ってしまう原因が「あの人(他のプレイヤー)はあんなに上手くなっているのに、どうして自分だけ……」と考えてしまうことにあるのではないでしょうか。筆者周辺の少ないサンプルではありますが、私の周りで音ゲーに対して「単に流れてきた何かに合わせてボタンを押すことに対して虚無感を覚えたから引退した」と言っている人は一人も見たことがありません。音ゲーから離れてしまう人のほとんどは

  • 環境の変化により、ゲームセンターに言って音ゲーをする時間が取れなくなってしまった
  • 1年前は同じ実力帯であったのにも関わらず、自分とそのプレイヤーとの間に大きな実力差が生まれてしまい、置いていかれたような気がしてしまった

という二つの原因に身に覚えがあるでしょう。前者に関しては、音ゲー自体のモチベーションが下がってしまった訳ではないと思うので、今回は特に後者を中心に取り扱っていきます。(マジモンの音ゲージャンキーなら静音対策済みのコントローラーとか買ってそうですしね)

 

減点方式の音ゲーと上手く付き合っていくために覚えておくことは他人や過去の自分と比較することは、その人の性格によっていい影響も悪い影響も及ぼすということです。

 

減点方式のゲームでももちろんスコアの優劣はつきます。それは、自分自身がどれだけ上手くプレイできたかによるものでもあるのですが、音ゲーマーのみなさんは「自分自身がどれだけミスをして減点されたのか」に注目してしまいがちだと私は感じています。音ゲー全般が減点方式であるがゆえに、このような視点を持つことはなんら不自然なことではないと思います。

 

しかし、そのような考え方を持ち続けていると、自分が大会やスコアアタックで負けてしまった時に「相手が上手だったから負けた」ということが認めにくくなります。相手がうまかったから加点された訳ではなく、自分が相手より多くミスをしたのだから当たり前ですよね。

 

そのような考え方を持つことを否定はしないのですが、その考え方を普段の音ゲーにまで持ち込むことはオススメできません。「あいつうめえなぁ……」の裏に「自分は下手だ……」という考え方が潜んでしまうからです。自分は下手だという考え方を持ってしまうと、音ゲーは楽しくなくなってしまうのです。より正確にいえば、人間は「自分が成長していることや自分が上手くできることを楽しいと感じる」生物なのです。筆者はSDVXのプレイヤーなのでSDVXで例えると、ライバルが998や999まで詰めているとある曲のスコアが、995から997に伸びた際に、二つの考え方ができると思います。

  • 995から997まで伸びたのだから、2万点もスコアを伸ばすことができた
  • ライバルは998だから、ライバルまで1万点差がついている

前者の考え方は「自分ができるようになったことに注目した考え方」です。前述の通り、自分が成長していることを楽しめるのが人間なので、音ゲーのモチベーションは上がると思います。その反面後者の考え方は「他人と比較した際の自分のミスの多さに注目した考え方」です。このようになると自分が成長している、ましてや自分が上手くプレイできている、などとは思えず、ズルズルと自己嫌悪に陥ってしまうのです。

 

できない自分に悔しさを感じ、それをバネにして頑張れる人なら他人と比較して、なにくそ魂で頑張り続けることも可能です。私が「その人の性格によって」といったのはそのような理由があります。しかし、そのような人は音ゲーのモチベーションがなくなることはないでしょう。そしてそのような性格を持っている人は非常に稀です。ここまでこの記事を読み、モチベーションについて悩んでいる人たちは、周りと比較するよりも、少し前までの自分ができなかったことが少しでもできるようになったこと、より上手くできるようになったことに注目することが大事だと私は思っています。

終わりに

今回の話は特に音ゲーに限らず、ビリヤードやダーツなど、自分がミスをしなければ負けないゲームや競技にも関わってくることだと思います。音ゲーをする上で、自分が上手くならないなぁ……と感じていても、実は何か上手くなっているかもしれません。そのように自分のいいところと悪いところを的確に分析しながら、たまにはいいところにも注目してあげてください

 

今回の記事は3000字に近いマジの長文だったので、ここまで読んでくださりありがとうございました。何かこの記事が読者の皆様にいい影響を与えられれば幸いです。前回は、ボタン音ゲーに置ける脱力の話をしましたので、よければそちらも読んでみてください。